ボルダリングはスポーツの中で最も指を酷使するスポーツです。
指は細いので怪我しやすく、治りが遅い骨や腱が密集している部位で、負傷してしまうと日常生活でも必ず使う部位なので余計に治りが遅くもなります。
怪我をするとボルダリングはもちろん、トレーニングもままならず、せっかく上達したものが水の泡になってしまいます。
クライミング中に怪我に気を付けることは当然ですが、指のケアも怪我の予防になるので、その重要性とケアの方法についてご紹介します。
怪我の種類とケアの重要性
怪我には急性的な怪我と慢性的な怪我があります。
急性的な怪我とは、ねん挫や骨折など、いつ怪我したのかが明確に分かるもので、慢性的な怪我とは、いつの間にか痛くなっているものです。
急性的な怪我は数日~数週間安静にすれば改善しますが、慢性的な怪我は日ごろのクライミングによる疲労によって引き起こされるものなので、日常的なケアが欠かすことが出来ません。
はじめは違和感だけですが、本人も気が付かないうちに重症になって痛みに変わる場合もあり非常に深刻になる場合もあります。
実に多くのクライマーが故障に悩まされており、今は何ともなくてもいずれ痛みが出てくるかもしれません。
コンディションに異常がないうちに、日常的なケアを始めましょう。
指に異常を感じたら要注意
ボルダリングの最中、または後に以下の様な異常があったら要注意です。
朝起きた時に指に異常がある場合もあるので、当てはまる方は要注意です。
指の関節が痛い
カチ持ちを頻繁にした後や、激しいクライミングした翌日などに関節が痛くなります。
これは、激しいクライミングで指を酷使したため関節が炎症を起こしていることから痛みが出ています。
放っておくと、指関節が太くなり曲がりづらくなったり、最悪の場合は疲労骨折してしまったりするケースもあります。
最悪のケースにならなくても、普段のクライミングに影響が出るので、ケアは欠かせないです。
指が最後まで曲がらない、まっすぐ伸びない
いつの間にか指が曲がりづらくなっていたり、朝起きた時に指が曲がりづらくなっている事があります。
指に負荷が繰り返しかかると炎症を起こし、繰り返すと指関節が太くなったり、柔軟性が失われ、指が曲がりづらくなったり、まっすぐ伸びなくります。
すると、指を完全に握り込むことができなくなるので保持力にも悪影響をもたらし、柔軟性が失われるので怪我もしやすくなります。
トップクライマーにも多くみられる症状で、手のひらをぴったりとつけて拝む形を作れなくなります。
また、女性の場合は血管が細く、末端冷え性の方も多いので血行の悪化に拍車がかかり、特に朝起きたばかりの時に指が曲がらなくなる場合があります。
これに加えて、女性は指が細く、カチ持ちが得意で頻繁にするクライマーが沢山いますが、指に最も負荷がかかるカチ持ちと血行の悪さが重なり慢性的な痛みに変わる場合もあります。
指をケアする方法
アイシング
指のケアにはアイシングがとても重要です。
アイシングには指の炎症を抑える効果があり、ケガの予防だけでなく、クライミングによって傷ついた組織の再生を早める効果や筋肉痛を和らげる効果もあり、必ずやっておきたいケアのひとつです。
クライミングした後はできるだけ早くアイシングをすると効果が高いです。
具体的な方法としては、
- 運動後30分以内
- 肘まで氷水に漬ける
- 腕の位置は心臓よりも高い位置で
- 水温は0度の氷水
- 時間は20分
となりますが、最初から20分間0度の水に手を入れるのはできないと思うので、少しずつ慣らしてみてください。
アイシングの詳しい方法は以前の記事で解説したので、そちらも参考にしてください。
マッサージ
マッサージはどこでも簡単にできるので、通勤通学中などにもできる効果的なケアです。
クライミングによって損傷した関節は以前よりも硬くなってしまいます。
関節が硬くなると怪我もしやすくなる上、普段のクライミングにも支障が出るので、硬くなった部位をマッサージでほぐして柔軟性を戻します。
指をケアする方法については以前の記事でも解説しましたので、参考にしてみてください。
まとめ
ボルダリングにおいて指は生命線です。
今は健康な指である事が当たり前かもしれませんが、怪我をしなければその大切さが分からないかもしれません。
怪我をして失ったものの大切さに気付くより、失われる前にその大切さに気付いて、ぜひ体を労わるようにしてください。
急性的な怪我についてはこちらをご覧ください。