昨年発売して一躍大人気クライミングシューズに躍り出たイボルブエックスワン。
最強のジムシューズとの呼び声も高いです。
イボルブからの完全新作のこのクライミングシューズですが、周囲の声は賛否両論と言ったところ。
そこで今回も、どこが良くてどこが悪いのか実際に履いてレビューしていきます。
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材質
アッパー | シンセティック |
ソール | 4.2mm TRAX SAS |
適した足型
幅はちょっと細めのサイズ感で、若干アッパーの高さがあるため、足が幅広の方もハーフサイズアップするだけで気持ちよく履くことができます。
かかとはキュッと細く直角なので、典型的な日本人向けのヒールカップ。
ターンインもきつくないので、足型を選ばずに履くことができるクライミングシューズです。
アッパーが伸びずらいシンセティック素材なので、小さすぎるサイズでの購入は避けた方がよいです。
ソールは 4.2mm TRAX SAS
ソールは結構柔らかめのソールで、なじんでくるとどんどん柔らかくなってきます。
スカルパのドラゴや、スポルティバのソリューション等に使われているビブラムXSグリップ2と同じ位の柔らかさで、粘りはこちらの方が良いかもしれません。
ソールの厚みが4.2mmとかなり厚く、ミッドソール(シャンク)も0.6mmと標準的の厚さであるため、柔らかめのソールでもジブス(小さくて薄いホールド)への立ち込みも対応しています。
ソールが消耗したら、その分つま先の力がかかるポイントが足の親指に近づき、力を込めやすくなるはずなので問題はなさそうです。
柔らかめなので、外岩よりもジム向けだと言われているのに納得ですが、決して外岩で使えないわけではなく、十分に性能を発揮できそうです。
強めのダウントゥ
ソールがかぎ爪のようにしゃくれていて、シューズ自体のダウントゥも強めです。
ソールが柔らかく、ダウントゥも強めなので強傾斜での掻き込みは安心感があります。
柔らかいクライミングシューズなので、ジャストサイズを選ばないとダウントゥの性能が十分発揮されませんので、必ずジャストサイズを選ぶようにしましょう。
上でも解説しましたが、伸びずらいシンセティック素材なので小さすぎるサイズは避けた方が良いです。
ほんの少しターンイン
ターンインは少しだけです。
アッパーが若干高いので、指を曲げて足入れしたときにピッタリとフィットし、ターンインを感じさせないほど気持ちよく履くことができます。
薬指が長くてターンインが痛いという方など、足の指の長さに関わらず履き心地はよいです。
ヒールカップは細く剛性が高い
ヒールカップはかなり細いのでフィット感が良いです。
そして、剛性が高いので、形を保ったままフリクションを十分効かせてヒールフックできます。
私が履いたこのシューズは若干小さかったため、ヒールカップが浅く、ヒールフックの最中に脱げそうになる場面もありました。
ヒールカップが合わなくなるので、サイズを小さくしすぎるのは禁物です。
大きく凹凸のあるトゥラバー
トゥラバーは足の甲ほとんどを覆うほどの大きさで、凹凸のパターンが付いているため、非常にフリクションが良いです。
安心してトゥフックをすることができます。
そのほか気になる点
そのほかの気になる点として、ベルクロの粘着力が弱いと思いました。
何度も着脱していくうちにだんだんと消耗してきて、ぎゅうぎゅうと押し付けなければくっつきません。
このままでは、最終的に登っている時にベルクロが外れてしまうことになってしまいそうです。
あとは、足入れが良くありません。
履く時の一瞬なので、クライミング中の性能には全く影響しません。
総合評価
どこの性能を取っても一級品の良いクライミングシューズでした。
特にソールの硬さと粘り、ミッドソールとのバランスが非常に良く、硬くコシを保ちつつフリクション十分発揮できるとても良い性能でした。
ソールが柔らかめによっていることから、強傾斜向きですが、適度なコシがあるので極端に小さなジブスでなければスラブも対応できます。
ベルクロの粘着力だけは残念な点で、粘着力が低下してきたら修理する必要が出てきます。
ヒールカップが若干浅い点も注意が必要で、小さすぎるとかかとが脱げそうになるので、ジャストサイズを選びましょう。
ベルクロの修理込みで考えてみても、ジャストサイズを選べばシーンを選ばず性能を発揮できるとても良いクライミングシューズでした。