UNPARALLELアンパラレルレオパード試し履きレビュー

クライミングシューズメーカーとしては異色の存在である UNPARALLEL

あのファイブテンがアディダスに買収されたのを契機に、ファイブテンから分離した職人が立ち上げたブランドとして話題になったのは記憶に新しいです。

そのアンパラレルから最初に発売されたクライミングシューズのひとつであるレオパードを履いてみました!

あの経験豊かなファイブテンの職人たちが作っていると思うと期待せずにはいられませんが、性能はどうでしょうか。

それではデータから。

素材シンセティック
ソール Virtual Demping  2mm
重量188g

実物を触った感想

めちゃくちゃ柔らかいです。

恐らく現存するクライミングシューズの中でこれより柔らかいものは、ファイブテンの チームVXI だけだと思います。

それもそのはず。実はこのレオパードはチームVXIの後継モデルとして誕生したシューズです。メーカーが違うので厳密にいえば少し違いますが、後継モデルと言っても差し支えない程類似しています。

柔らかさの次に驚くのが、その軽さで、両足合わせても375gしかありません。
アッパーもソールもとても薄いので、足の感覚がとても良く、まるで靴下で登っているような感覚になります。
足裏の感覚でこのシューズに勝るものはないでしょう。

細めの作りですが、 ベルクロがV字に締め付ける形になっていて、アッパーが非常に薄くて柔らかいので、足の幅がある人でもなじんでくればしっかりフィットしてくれそうです。

Virtual Demping  2mm

ソールはアンパラレルオリジナルのソールです。

ただでさえ柔らかいのに、厚みが2ミリしかないので、まるでMONOの消しゴムくらいの柔らかさです。

私は週3回ジムで使って3カ月で穴が開きました。
耐久性は皆無なので、耐久性重視の方にはおすすめしないです。

一応アンパラレルオリジナルといいましたが、ファイブテンのステルスMi6ラバーとほとんど同じです。

肝心の性能ですが、柔らかいだけあってフリクションはめちゃくちゃいいです。
足裏の感覚もいいので、滑る滑らないかの違いがが分かりやすく安心感があります。

フリクションがいいので、ボテなどの大きなボリュームに乗っても安定しています。

しかし、柔らかすぎることもあって、小粒のホールドに乗るのは本当に怖いです。
ソールがぐにゃっと変形してジブス(小さくて薄いホールド)にはとことん乗れません。スラブでは怖くて使えたものじゃないです。

加えて、ソールもアッパーも薄いので、尖ったホールドに乗ると痛いです。
冒頭でも解説しましたが、まるで靴下です。
靴下でコーディネーション課題をやると思うと怖くてできないです。

ダウントゥはノーマル

ダウントゥはノーマルで標準的な傾斜壁用のシューズと同等だと思います。

ソールのフリクションもあって、傾斜壁の掻き込みは抜群にいいです。

傾斜壁でシビアな足の時は非常に信頼できます。しかし、それがジブスであったなら一気に不安に変わります。

小さくて小粒なホールドが出てこない課題ならば、これよりも性能を発揮するシューズはないのではないかと思います。

ターンインはしていない

ターンインはしていないので、どんな人にも履きやすい靴だとは思います。

親指が長い方は窮屈に感じると思いますが、生地もソールも柔らかいのでそのうち馴染んでくるでしょう。

私の場合は親指と人差し指が同じ長さなので、履いても違和感はありませんでした。

ヒールカップは非常に残念

このシューズ一番の残念なポイントはヒールカップです。

ジャストサイズを買ったにもかかわらず、ヒールカップが浅く、浅いのに奥まで入りません。
結果、かかとが脱げそうだし、ヒールカップが余ってぐにゃぐにゃです。

ヒールカップがぐにゃぐにゃだから、ホールドにかけてもぐにゃりと変形して全く効いてくれません。

これは早急に改善してほしいです。

トゥラバーは凹凸が欲しい

トゥラバーの面積は十分、欲を言えば最近流行りの凹凸が欲しかったところです。

また、リソールしてもトゥラバーの面積を増やす余地がありません。

トゥラバーは面積が広ければ広い程よいので、少し気になるポイントです。

あと、やはり生地が薄いので、トゥフックすると足の甲が痛いです。

その他気になったポイント

ベルクロの粘着力が弱いです。

3カ月しか使いませんでしたが、しっかり手で圧着しないと外れます。
恐らく後数カ月使ったら、勝手にベルクロが外れるようになると思います。

このように劣化して粘着力が弱くなるベルクロが多いですよね。
アディダスファイブテンのアレオンのベルクロは非常に素晴らしかったので、 メーカーの方には早く気づいてほしいです。

総合評価

性能が極端で、使用するシーンが限定されてくるシューズです。

フリクションはとてもいいので、ジムの強傾斜で使用する場合は特に不自由さは感じないと思います。

垂壁やスラブで使用する時は、ジブスが出てくる課題であればこの靴は適していません。シューズを替えましょう。

一番の問題点がヒールカップです。
ガバにしかヒールフックできないので、本当にいけません。

現時点で言えば、次のモデルが出るまで購入は待った方がいいと思います。