先日、世田谷でボルダリングジャパンカップ2020(BJC2020)が開催され、白熱したトライが繰り広げられました。
男女共に、最後の最後まで分からない大逆転劇が行われ、女子がBJC2度目優勝の伊藤ふたば選手、男子が2018年世界選手権王者の原田海が優勝しました。
動画で見るととても長いのでダイジェストでまとめてみました。
ボルダリングの採点方法は少しかわっているので、知らない方は以前の記事で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。
女子
最後の最後で、伊藤ふたば選手が第4課題を落とせば優勝という場面で、制限時間もあと1トライ分しかないというプレッシャーの中、見事完登し、女王野口啓代選手を抑え2度目のBJC優勝を飾りました。
大きかったのが第3課題を唯一伊藤選手のみが完登していることで、他の選手はゾーンはおろか、1手目も到達していません。
そのトライがこちら。
足場の悪いスラブ壁で、半円形の2つのボテに飛びつくムーブですが、唯一伊藤選手だけが解決できていました。
そしてそのまま完登。このトライで一気に4位から首位に浮上しました。
続く最終第4課題は、野口選手、野中選手が完登し、野口選手が暫定1位、野中選手が暫定2位という場面で、伊藤選手が完登すれば優勝という展開になりました。
2トライしても1手目にしか届かず、ゾーンははるか上。
制限時間もあと1トライ分しか残されておらず、絶対絶命と思われた場面ですが、
なんとラスト3トライ目で完登し優勝してしまいました。
勝負強さを見せつけられ、思わず叫んでしまいました。
男子
なんと男子も最後の最後で原田海選手が第4課題を完登し優勝しました。
王者楢崎選手他3名が第1課題を完登し原田選手が出遅れたものの、続く第2課題は唯一原田選手のみが完登。しかも一撃です。
この一登が本当に大きかったです。
そのトライがこちら
他の選手はこの緑ホールドを取れませんでしたが、これを取って、
完登!
会場はめちゃくちゃ盛り上がっていました。
唯一、原田選手のみが完登です。
そして、ラスト第4課題、楢崎選手が暫定首位、井上選手が暫定2位でした。
この時点で原田選手は暫定3位で、この課題を完登すれば優勝という場面。
一度はゴール直前まで行きますが、落下。
その後も失敗が続き制限時間もいっぱいで、残された時間はラスト1トライ分という場面。
なんと完登!
BJC初優勝を飾りました!
まだまだある見どころ
こちらはマントルを返そうとしている野中選手と野口選手ですが、全くムーブが違います。
野中選手はヒールをかけていますが、野口選手は膝を当てています。痛そう!
同じ課題でもムーブが全然違うので、そこも見どころです。
あとはこれ。
他の選手はこの右手のカチを苦しそうにデッドムーブで取りに行っていました。
しかし、野口選手はスタティックに体を安定させていました。
左手の保持力がスゲーってなりました。
男子の第1課題楢崎選手のトライ。
初手のダブルダイノですが、ホールドを取って体が振られた勢いで足をスメアして止める場面です。
一瞬でいくつもムーブを起こさなければならず、他の選手はここでだいぶ苦戦していました。
楢崎選手はここを難なく突破。何が違うんでしょう。
解説の方も他の選手よりホールドが近く感じると言っていました。
楢崎選手、身長170センチくらいしかないんですが、確かにそれほど飛んでいないように見えました。
特に興奮した点だけを短くまとめてみましたが、気になる方はyoutubeで予選から見れますので、ぜひ見てみてください。
きっと刺激をもらって、今すぐ登りたくなってくることでしょう!