ボルダリングの正しいフォーム①「バレリーナから学ぶ」

ボルダリングには心技体全ての要素が必要です。

ボルダリングを始めたばかりの頃は伸びしろが多く、登れば登った分だけ成長することが出来ます。

しかし、ある程度上達してしまうと、伸びしろが少なくなっていくにも関わらず、多くのクライマーがこの成功体験にとらわれて、登り込むことが上達に繋がると思い込んでいます。

野球や陸上競技、バレエは例えアマチュアだとしてもフォームを追求するにも関わらず、ボルダリングはそれほどフォームが重要視されていないように思われます。

そこで、今回はフォームを見直すことに重点を置いて解説していきます。

ボディを使ったクライミングをする

体の中で最も大きな部分は胴体です。

指や足というのは、直接ホールドに触れる部分で無論重要な部位ではありますが、ボディが生み出す力に比べれば小さなものです。

ボディの中でも最も重要な部位は、土台となる骨盤と、上半身とをつなぐ背骨とそれを取り巻く骨や筋肉です。

ボルダリングに限らず、様々なスポーツで骨盤と背骨の重要性が実証されていて、多くの一流クライマーがボディを使ったクライミングをしています。

バレリーナの動きが理想

バレリーナはつま先の1点だけで地面に立ち激しい動きをしますが、全く重心がブレることがありません。

この動きは、小さなホールドにつま先で立ち激しい動きをするボルダリングの動きに非常に近く、バレリーナのような動きが壁の中で出来れば重心が安定して、力を効率的に使うことが出来るでしょう。

ボルダリングに初めてトライするバレリーナを見たことがありますが、初めてとは思えないほど動きが美しく、他の初心者とは雲泥の差で、それに伴って通常初心者が出来ないレベルのグレードまで攻略していました。

バレリーナのレッスンは、始めたその日から姿勢を美しく保つことが求められますが、ボルダリングの場合は個人の裁量に委ねられます。

つまり、ボルダリングの場合は多くのクライマーが姿勢を重要視していないということになります。

フィジカルや保持力ばかりに目が行きがちなボルダリングですが、バレリーナの様な正しいフォームを身に付けましょう。

姿勢を美しく保つには

バレリーナのように、骨盤と背骨意識した姿勢をを美しく保つ具体的な方法は、骨盤の三角形を意識し、これが崩れないようなフォームを意識することです。

例えば背中が丸まった猫背の状態で、バンザイをしてみるとスムーズに腕が上がらないことが分かります。

次は腰の三角形が崩れないように意識すると、スムーズにバンザイできると思います。

一瞬も気を抜けないクライミング中に、スムーズに手が出るかどうかは非常に重要になってくるので、ウォーミングアップの段階から腰の三角形が崩れないように意識しましょう。

下半身を分離する

下半身の分離とは、股関節を起点に上半身と下半身を分ける事で、バレリーナは手と足の連動する動きはあっても、手の動きに足がつられてフォームが崩れることがありません。

つまり、手を伸ばしたり足を上げたりしても、腰の三角形が崩れてはいけないということです。

体が安定している状態なのに、足を上げるために体勢を崩すことは次のムーブにも影響します。

腰の三角形を崩さずに足を上げるには柔軟性が不可欠で、コンペ等を見ているとトップクライマーはこの動きを常に行っているのが分かります。

特に野口啓代選手や伊藤ふたば選手は体が柔らかいことで有名ですが、この2人の選手の動きは非常に参考になるでしょう。

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最後に

今回はボルダリングのフォームの重要性と、腰の三角形を意識することについて解説しました。

意外とフォームを意識していないことに気づいた方もいるのではないでしょうか。

次回は腰の三角形を維持するための方法について解説していきたいと思います。