ボルダリングのトレーニング方法やコツ等については調べたり実践している方もいるかもしれませんし、当サイトもトレーニングの方法を紹介したりしてきました。
しかし、メンタルを高く保つ方法やコツなどについて重要視している方は少ないのではないでしょうか。
今回は、ボルダリングにおけるメンタルを高く保つコツについてご紹介したいと思います。
メンタルがボルダリングに与える影響
メンタルというと意外と軽視されがちですが、知らず知らずのうちに上達を妨げている可能性があります。
これから説明することに当てはまるという方は注意が必要です。
完登できる課題にしかトライしない
充分完登可能なグレードの課題にチャレンジしていても、「こんなのできるわけがない」とすぐに諦めてしまう光景をボルダリングジムで目にすることがあります。
力を出し切って工夫すれば、もしかしたらできるかもしれないのに、すぐに諦めてしまう事は、集中力の無い子供にありがちで、数トライしかしていないのにできそうな課題に移動してしまいます。
私は数年間、子供にボルダリングを教える機会がありましたが、このような子供は残念ながら全くと言っていいほど上達しませんでした。
人生の中で最も上達速度が速い子供ですら、課題に集中しなければ全く上達することは無く、大人に置き換えても同じことが言えるでしょう。
「出来ない」と口にすると自分にブレーキかける
「できるわけがない」と口にすることは、自分に対して刷り込みをしているのと同じで、似たような課題に出会ったときに力を出し切ることができなくなってしまいます。
これを繰り返すとどんどん出来る課題が少なくなっていき、ボルダリングがつまらなくなってしまいます。
難易度が高い課題であっても、自分にとっての適性グレードであれば、何とか工夫してトライする、又は短中期的な目標にした方が良いでしょう。
モチベーションを高く保つ
モチベーションを高く保つことはフィジカルトレーニングよりも大切かもしれません。
何をするにしても、「よし、やろう」と思わない事には行動に移すことが出来ないからです。
モチベーションを高く保つには、ボルダリングを楽しむ事しか方法はないです。
当サイトでは、グレードを上げるためには、集中して課題に取り組むことを勧めていますが、モチベーションを上げるという効果を狙うのであれば、セッションをしたり、自分の課題を作成してみるとよいでしょう。
義務感が生まれるとつまらなくなる
ボルダリングが楽しくなって週に何度もジムに通っているクライマーの場合、ボルダリングをするためにジムに行くのではなくて、「ジムに行くこと」が目的になってしまっていることがあります。
つまり、ジムに行かなければ実力が落ちるのではないかと考え不安に感じたり、落ち着かなかったりすることから発生する行動です。
この場合は、ジムに行くことが自然と義務になってしまい、目的とそれを達成するための手段が逆になってしまっています。
こうなると、ボルダリングを何となくしているだけで、上のグレードを目指そうとチャレンジする事がなくなってしまいます。
自分がこのような心理に陥っていないか、時々思い返してみると良いでしょう。
思い切ってボルダリングを休む
もし、ボルダリングを義務と感じてしまっているようならば、思い切ってボルダリングから一定期間離れるというのもメンタルを整えるコツです。
プロスポーツ選手でも、競技から1カ月くらい離れて休暇を取る時がありますし、スポーツの世界ではそれほど珍しい事ではありません。
休んでいるうちに、ふつふつとどうしようもなくボルダリングがしたくなってくるはずです。
技術に関しては、簡単に忘れることはないので心配いりませんが、体力に関しては若干衰えているかもしれません。
それでも、一度付いた体力は衰えたとしてもトレーニングを再開すればすぐに戻ります。
これを筋力の再現性と読んだりしますが、この様な理由から技術も体力もすぐに戻るので休んだとしても心配いりません。

オブザベーションを念入りに行う
オブザベーションをしていて、「ここはこのムーブで行こう」「このムーブだと難しそうだから他の方法を探そう」等、自分の出来る事と出来ないことを落ち着いて整理しているということに気づきます。
これは自分の野力を客観的に見ることに繋がり、次からするべきトレーニングを明確にする事でモチベーションを維持することが出来ます。
オブザベーションはそれ自体が直接上達に繋がることもありますが、意外と上級者も出来ていないこともあるので、オブザベは念入りに行うようにしましょう。
最後に
- 「出来ない」と口にしない
- モチベーションを高く保つ
- 思い切ってボルダリングから離れる
- オブザベーションを念入りに行う
ボルダリングはスポーツの中でも、心技体全ての要素をまんべんなく要求される珍しいスポーツです。
クライマーの参考書であるクライマーズバイブルにも、「フィジカルのトレーニングばかりでメンタルのトレーニングをしないのは非常にもったいないと」書かれています。