ボルダリングでは、普通では考えられないような姿勢になることが多く、特に体にかかる負荷が大きいスポーツです。
最近ではボルダリングがメジャーになりつつあるため、ボルダリングジムも増え手軽に始めることが出来るようになりましたが、体が硬かったり着地の衝撃で痛めたり、腰痛は注意しなくてはいけない怪我の一つです。
今回は、ボルダリングで腰痛になる原因やその予防法を解説していきます。
腰痛の種類
一言に腰痛と言っても沢山の種類があります。
骨や筋肉の障害や神経の障害からくる腰痛など様々です。
この内、骨や筋肉の障害から腰痛としては、腰痛症、椎間板ヘルニア等が当てはまり、神経からくる腰痛は、坐骨神経痛が最も知られています。
ボルダリングの場合は腰痛症が当てはまりますが、その腰痛症も以下のように様々な種類があります。
筋性腰痛
肉体労働やデスクワークばかりの方に多い腰痛で、長時間同じ姿勢だったり、強い負荷を与えたり、特定の部位を酷使した時になる腰痛です。
痛い場所をもむと痛みが和らぐ事が特徴で、マッサージの他安静にすることで回復が期待できます。
前屈腰痛(椎間板性腰痛)
背筋が弱かったり、デスクワークが多い方に多い腰痛の種類で、しゃがんだり、前かがみになった時、物を持ち上げた時に痛みが出ます。
ストレッチをして柔軟性を向上させ、背筋を鍛えることで回復が期待できます。
のけぞり腰痛(反り腰)
女性や腹筋が弱い方に多い腰痛の種類で、背中を反る動きをした時に痛みが出ます。
電車のつり革につかまったり、子供を抱っこした時に痛みが出ることもあるようです。
背中の筋肉を酷使する事で痛みが出るため、ストレッチと腹筋を鍛えるトレーニングが効果的な対処法です。
お尻腰痛
産後の女性に多い腰痛です。
ボルダリングにはあまり関係がありません。
お尻の近くにある仙骨の付け根の炎症やゆがみが原因で起こる腰痛です。
ボルダリングに該当する腰痛はどれ?
腰痛の種類を挙げましたが、どれがボルダリングの原因か特定するのは容易ではありません。
実は原因の特定が出来る腰痛は、全体の15%だけで、残りの85%は原因の特定が困難だと言われています。
ボルダリングが原因だと思っていた腰痛も、実は仕事や日常生活に起因するものであったりするため、トライの途中で突然腰が痛くなったという明確な原因でもない限り、原因の特定は容易ではありません。
ただ、腰痛の多くは腰自体に原因があるケースは少なく、腹筋や、背筋、足の筋肉の強張りが原因で腰にそのしわ寄せが来て、腰痛が引き起こされるケースが最も多いそうです。
これらの部位を酷使するボルダリングも、筋肉の強張りが原因で腰痛になるケースが多いと言えるでしょう。
ボルダリングにおける腰痛の原因
腰痛の原因がボルダリングだけとは限りませんが、ボルダリングに起因する腰痛の原因としては以下の様なものが挙げられます。
反り腰
上半身を後ろに反らせることによって痛みの出ます。
腹筋が弱く、背筋に引っ張られて上半身が後ろに反ってしまったり、壁に腰を近づけすぎて上半身が反ってしまうのが原因です。
柔軟性の低下
足や腰、背中、腹筋等が硬いと腰痛の原因になります。
ボルダリングではハイステップを度々行いますが、体が硬いと足を上げられず、その分他の部位に負担がかかります。
また、硬くなった筋肉に引っ張られて姿勢が悪くなるのも原因の一つです。
着地の衝撃
考えてみれば当然ですが、これも腰痛の原因の一つです。
高所から飛び降りて体操選手のようにしっかりと着地してしまうと、衝撃が腰を直撃します。
足から着地してそのまましりもちをつくように後ろに転がるか、クライムダウンをしてみましょう。
予防・直し方
ボルダリングは体中を酷使するスポーツです。
ここで解説するものは腰痛のみならず、様々な怪我を防止するだけでなく、上達にも繋がるので、ぜひ行うべきでしょう。
体幹トレーニング
ボルダリングは普段行わないような動きを高い強度で行いますが、これが腰痛の原因になり得ます。
しかし、体幹トレーニングをする事で全身の筋力を高め、高い負荷にも耐えられるようになります。
腰周りの筋肉が強ければ、腰は筋肉に守られ、腰にかかる負担が軽くなります。
腹筋・背筋トレーニング
反り腰や猫背の様に悪い姿勢は、腹筋、背筋が弱い事が原因の一つです。
姿勢が悪ければ、腰に余計な力が入り、少しづつ疲労が溜まって腰痛になってしまいます。
腹筋背筋のトレーニングをする事で、姿勢を正し、腰痛の予防、改善が期待できます。
ストレッチ
ストレッチはほとんどの腰痛に対して有効な対処法です。
私見が入りますが、腰痛にはストレッチがもっとも効果的だと感じます。
上で挙げた全ての腰痛に対して効果的なうえ、ボルダリング自体にも柔軟性が求められるので是非行いましょう。
注意すべきなのは腰だけでなく、腹筋、背筋、お尻、足など、全身をストレッチすることです。
上でも書きましたが、腰自体にトラブルがある事は少なく、周りの筋肉が強張ることによって痛みが引き起こされます。
なので、腰はだけだなく全身をストレッチする様にしましょう。
クライムダウン
クライムダウンはボルダリングでは必須の練習法であると同時に、腰に与えるダメージを軽減してくれます。
なるべくグライムダウンで壁から降りるように心がけたいですが、どうしても無理な時や、壁の構造的にクライムダウンできない時は、なるべく着地する際、膝で衝撃を吸収して尻もちを着くと衝撃が軽くて済みます。
まとめ
上でも説明しましたが、腰痛の原因はボルダリングだけどは限りません。
むしろ、日常生活や仕事で腰痛になる方が圧倒的に多いようです。
重い物を頻繁に持ち上げる、立ちっぱなし、座りっぱなしは、腰を痛める原因の多くを占めます。
ボルダリングの際、腰の負担を軽くするよう心がけるのは必要かですが、まずは病院、整骨院などを受診してみるのをお勧めします。