スカルパから超攻撃的なクライミングシューズ、ブースティックをレビュー。
長い間現行モデルを維持するロングセラーのクライミングシューズで、上級者向けとしては珍しくベルクロが2本締めなど、一風変わったクライミングシューズになっています。
ボルダリングジムで見かける機会はあまりありませんが、外岩では履いている人が多い印象のクライミングシューズ。
その性能を確かめるため、実際に履いてレビューをしてみます。
クライミングシューズの選び方はこちらの記事を参考にしてください。
クライミングシューズのサイズ選びはこちらから。
アッパー、ソール材質等
アッパー材質 | スェード |
ソール | ビブラムXSエッジ |
重量 | 240g 40# 片足 |
適した足型
かかとが細く、つま先側が幅広になっています。
かかとは直角に近いので、かかとが出っ張っている人は合わないかもしれません。
また、ターンインがえぐい程インサイドに寄っているので、人差し指が親指よりも長い方は窮屈に感じるかもしれません。
このことから
幅広
かかとが直角
親指が一番長いか、親指と人差し指が同じ長さ
であれば、合いそうです。





ソールはビブラムXSエッジ
ビブラムシリーズの中で最も硬いXSエッジです。
ソール自体がとても硬い上にミッドソールも硬いです。
しかも、ソールがつま先とヒールが分かれているセパレートタイプではなく、一体型なのでカチカチです。
ボルダリングジムで使用する場合は、もう少し柔らかい方がボテや、つるつるになったホールドに乗りやすく、足裏感覚も良いのですが、本領は外岩で使用した時です。
まず、とても硬いので小さなジブスにも安定して立ち込むことができます。
さらに、つま先とかかとが分かれていない一体型なので、つま先立ちをすると、自然とかかとが上がるので更に立ち込みやすいです。
外岩で使用する分には性能を十分に発揮できる良いソールです。
メリットとデメリットがはっきり分かれるクライミングシューズなので、自分が使用するシーンによって使い分けるのが良さそうです。
ダウントゥは他ハイエンドシューズと同等
ダウントゥはそこそこです。
ソールが硬いので、クライミングシューズが伸びてダウントゥがへたれることはなさそうです。
ソール自体は、他のハイエンドシューズのようにかぎ爪状にしゃくれているわけではありません。
そのため、シューズのつま先先端か親指までの距離が短く、力をつま先に伝えやすいです。
反面、もっとダウントゥが欲しいと感じる方もいるので、好みが分かれそうです。
ダウントゥはしているので、強傾斜の掻き込みもできますが、やはりつま先で立ち込みを多用するスラブから緩い傾斜壁で活躍しそうです。


エグイほどターンイン
ターンインはかなりインサイド側に寄っています。
このため、親指に力を込めやすく、より立ち込みやすくなっています。
ただ、かなりエグイくらいターンインしているので、人差し指が長い方は合わないかもしれません。

ヒールカップは細くしっかりフィット
ヒールカップは細く、直角のかかとにフィットする形をしています。
深さも十分なので、途中で脱げることもありません。
剛性もかなりあるので、ヒールフックした時に横向きの力が加わっても変形することなく、フリクションを効かせることができます。
トゥフックはベルクロが干渉する
トゥラバー自体は、インスティンクトの様な凹凸のパターンがあるので効きます。
しかし、2本のベルクロが面積を占有しているので、トゥラバーの面積が小さいです。
このため、トゥフックした時にベルクロが干渉してしっかりフリクションを効かせることが出来ません。
トゥフックを多用する強傾斜では不利になってしまうので、やはり緩い傾斜壁からスラブまでの使用を想定した方がよいです。

その他のポイント
ベルクロのマジックテープの粘着力は非常に強力で、しかも2本あるので強力に足にフィットします。
幅広でヒールは細く、日本人向けの足型なので、とても気持ちよく履くことができます。
総合評価
私は、ソールはつま先側とヒール側にセパレートしているタイプ一択だと思っていました。
しかし、このブースティックのように固めの一体型ソールは、簡単にかかとを上げてつま先立ちできる点に驚きました。
硬い一体型ソール、強烈なターンイン等、小さいホールドに安定して乗るための要素が詰まったクライミングシューズで、特に外岩では性能を十分に発揮できます。
ボルダリングジムでも、ジブス(小さくて薄いホールド)に立ち込む時は、非常に安定していました。
とても硬いので好みが分かれそうですが、特定のシーンであれば他のクライミングシューズよりも使いやすいのは間違いありません。