クライミングに限らず、全ての運動につきものなのが筋肉疲労です。
クライミングでは特にパンプと言われ、前腕が焼けつくように熱くなり、力が入らなくなる事を言いクライマーならば経験したことがあるはずです。
この仕組みを理解できれば、対策をとることができ少しでも楽に登れるようになるかもしれません。
ということで、今回は筋肉疲労はなぜ起こるのか、パンプへの対策を2回に分けて調べてみました。
エネルギー源の枯渇
聞いたことがある方もいるかもしれませんが、筋肉を動かすエネルギーは、筋肉中の糖質
グリコーゲン
が原料になっています。
この原料から作られるATPがと呼ばれるたんぱく質です。
また、より激しい運動をするときには同じく筋肉に蓄えられている
クレアチンリン酸
からATPが作られますが、どちらも量に限りがあり、これらが欠乏すると筋肉は十分に働かくなってしまいます。
疲労物質の蓄積
疲労物質としてよく知られているのが「乳酸」と呼ばれるものです。
この乳酸が発生すると筋肉の収縮能力が低下し、血中の乳酸濃度が0.003%以上になると筋肉を収縮させることができなくなるといわれています。
実際には乳酸は即座に筋肉から血流に放出されてしまうため、直接的に筋肉疲労を引き起こしているわけではありません。
乳酸の発生によって生じた水素イオンが筋細胞中のphを低下させることによって筋肉疲労が引き起こされるとされています。
むしろ乳酸は、体内で筋肉を動かすためのエネルギーに変換されるありがたいものではありますが、遅筋に対してのみ使用されるということが研究で分かっているようです。
体調による疲労の加速
体温上昇や水分不足などによって筋肉疲労は加速します。
そのため、多くのアスリートは競技中に水を義務のように摂取しています。
また、持久的な運動では、上で説明したグリコーゲンではなく、血中に存在するグリコロースと呼ばれる物質もエネルギーに変換されます。
このグリコロースも貯蔵量は少ないため、これが不足すると運動のコントロールがうまくできなくなってしまいます。
パンプとは
パンプについては、実ははっきりと解明されているわけではないらしいです。
現在最も信頼できる解説としては、疲労して乳酸が発生すると、血管の外で体液が生成されて筋膜内の圧力が増加する、というものです。
なぜこうなるのかの説明は割愛しますが、パンプへの対策はこれらの除去が重要になります。
まとめ
ここまでの説明で、なぜパンプするのかということが分かったかと思います。
パンプの原因は乳酸ということが分かりましたが、次回はこの乳酸の排除方法、パンプへの対策について解説していきます。
次の記事も是非参考にしてみてください。