スカルパから大人気のクライミングシューズ、スカルパドラゴ(SCARPA DRAGO)のレビューです。
多くのボルダリングコンペシーンでも使われ、もはや定番のクライミング シューズになりつつあります。
2020年のジャパンカップでは、スポルティバのスクワマに次いで使用している選手が多かったので、このクライミングシューズの性能の高さが伺えます。
ドラゴはフューリアの前部分のベルクロを排除し、よりトゥーフックしやすくなったモデルで、2020年10月には、現在のモデルよりもボリュームを落としたニューモデルが出るとあって注目のクライミング シューズになっています。
※当サイトのクライミングシューズのレビューは、必ず実際にジムで使用してから作成しています。
クライミングシューズの選び方はこちらを参考にしてみてください。
サイズ表はこちら
材質
材質 | マイクロファイバー |
ソール | ビブラムXSグリップ2 |
重量 | 205g(#40 1/2) |
実物を見た感想
全体的に細身で、入口や足の甲周りもかなり細いので、足が細い人にはピッタリだと思いますが、逆に足の幅が広い人は窮屈に感じるかもしれません。
トゥもヒールも柔らかく、しっかり足にフィットさせないと小さいホールドに乗った時にシューズの方が負けてしまうので、しっかり足にフィットさせて使用する必要があります。
幸い、アッパーの合皮は適度な厚みと柔らかさがあり、ミッドソールも小さくソールも柔らかいので、足になじむのはかなり早いのでこの点は心配いらないでしょう。
細めのヒールカップと強めのダウントゥで、癖のないオールマイティな使い心地です。
ソールはビブラムX2グリップ2
ソールは柔らかめで厚みは3.5mm、ミッドソールはつま先部分を覆うくらいの大きさです。
ミッドソールが小さく、柔らかいソールなので全体的にかなり柔らかく、柔軟性を活かしてスメアや大きめのボテなど、フリクションが必要なムーブで性能を発揮します。
つま先部分は最低限の硬さがあるので、ジブスにもしっかりと乗ることが出来ます。
どちらかというとジム向けかと思いますが、ソールに適度な硬さがあるので、外でも十分使えますし、実際私は外でも使っています。
外でも使っている人は良く見ますので、ジムでも外岩でも使えるクライミング シューズです。
強めのダウントゥ
強めのダウントゥです。
柔らかいソールとはいえ、ミッドソールはしっかりと入っているので、ソールのコシと粘りと強めのダウントゥで強傾斜では強力に掻き込むことが出来ます。
ソールがつま先側とかかと側に分かれているセパレートタイプで、土踏まずを中心に良く曲がります。
そのため、ダウントゥとセパレートタイプのソールがバネのような役割を果たして、ランジ等のムーブを起こす時に推進力となります。
長期間使用していると、ダウントゥがだんだんへたってきてフラットになってきてしまうので、ジャストサイズを選びましょう。
強めのターンイン
ターンインがかなり強めなので、爪先の1点に体重が集中して、立ち込みはかなり有利です。
私は、親指と人差し指が同じ長さですが、違和感なく履くことができましたが、足の中指が長い方は痛くて足に合わないでしょう。
強いターンインなので、好みが分かれるお思います。
細いヒールカップ
ヒールカップかかなり細く、横から見てもヒールカップはそれほど出っ張っていないでため、日本人の平均的なかかとにフィットする作りです。
足が小さい人が履いてもヒールがだぶだぶに余ることがないので、ヒールカップをくにゃっとつぶしてヒールフックするよりも、しっかりフリクションを効かせてヒールフックする感じです。
かなり柔らかく、ヒールの両サイドにあるラバーの隙間が若干弱く、ぐにゃっとヒールカップが変形してしまうので、かかとがしっかりヒールカップにしっかりおさまるようにサイジングは非常に重要になります。
フィットしてしまえば、細いヒールカップのおかげで小さいホールドにもしっかりフック出来る性能を発揮します。
トゥラバーはしっかりと足の甲まである
やはり強傾斜を意識したモデルだけあって、トゥフックはしっかりと足の甲全体をカバーしており、ベルクロは1本なので、トゥフックを妨げる事なくムーブを起こせます。
ぽつぽつと穴が開いているのですが、これは果たしてフリクションに関係しているのかは不明ですが、もっと派手な模様があれば、フリクションは更に向上するはずなので、リソールする予定の方はカスタムしてみらどうでしょうか。
トゥにある黒いメッシュのおかげで足入れがかなり良くなっているのですが、足とシューズの間に隙間があると、トゥフックした時にこの部分がパカパカ動くことがあります。
アッパーがかなり柔らかくシューズが良く伸びるので、隙間が出来ないように伸びる事を考慮してサイズを選ぶ必要があります。
その他気になった点
ベルクロは1本で、トゥフックを妨げる事がなく、かなり足首に近い位置で留めてあるので、脱げることもないです。
マジックテープの粘着力もへたる事がないので安心して使えます。
アッパーの「くの字」型のメッシュがあるおかげで足の厚みがある方でもしっかりフィットしてくれます。
反面、足が薄い方は若干アッパーが余る原因にもなり、特にトゥフックをしたときにアッパーが若干動くのが分かります。
基本気になりませんが、シビアなトゥフックが要求される場面で気になることも。ドラゴのローボリュームはこの点が改善されていそうなので発売に期待です。
総合評価
足が細く、中指が親指と同じかそれ以下の長さの人にはとても良いシューズになります。
足形を多少選びますが、癖が少なくまさにオールラウンダーといった感じです。
ジムも外岩も、スラブも強傾斜もこれ1足で何とかなります。
私もこの靴を4足履きまわしてリソールも何度もしながら使っています。
エントリーシューズを卒業して2足目のクライミングシューズとして、とても良いので是非使ってみてください。
ドラゴのレースアップモデル「キメラ」もオススメです。
アンチレースアップのクライマーにも自信をもってオススメできます。