浅草クライミング「カガミ」レビュー

今回はクライミングシューズでは珍しい日本製のシューズ「浅草クライミング カガミ」を試し履きレビューします。

浅草クライミングはクライミングシューズの他にスポーツ靴下やテーピング等を製造している日本の会社で、その技術力と日本企業ならではの丁寧さと、日本人の足に合わせたモノづくりが特徴です。

以前ご紹介した浅草クライミングのツルギも丁寧な作りで、特にアッパーの縫製は足にストレスを与えないストレスフリーな作りでした。

今回の鏡はフラットシューズという事でスラブや垂壁での性能がどれほどか期待です。

同じく浅草クライミングの人気シューズツルギのレビューはこちら

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適した足型

素材 アッパー : マイクロスエード / 2mm
ソール ソールラバー : 摩擦SP
重さ 20cm/200g

幅広でもなく細くもない標準的な足幅です。

アッパーの高さも標準的。

足を入れた時も縫い目が気になることがないので、とても丁寧な造りであることが分かります。

ターンインもほんの少しな上、素材も柔らかく良くなじむのでどなたにも履きやすいシューズになっています。

ソールは浅草登攀オリジナル摩擦SP

少し固めのソールです。

触った感じはファイブテンのステルスハイフリクションに最も近いです。

少し固めながらも粘りのあるソールで、全体に広がる縦しわがステルスソールを思わせます。

フラットなソールでつま先がしゃくれていない為、素足から靴のつま先までの距離が短く、ホールドに力が十分に伝わります。

また、ソール自体の固さがちょうどよく、くにゃっとヘタレることなく立ち込むことができます。

フラットなつま先

フラットなソールでスラブや垂壁に適しているシューズです。

ソール自体の適度な硬さや、素足からシューズのつま先までの距離も短いこともあり、力が十分にホールドに伝わります。

スラブや垂壁のジブス(薄くて小さいホールド)に安定して立ち込むことができました。

反面、フラットシューズの弱点である強傾斜での掻き込みはこのシューズにも当てはまります。

普段ダウントゥのクライミングシューズをお使いの方は、いつも通りに強傾斜を登ると足が切れてしまうので、より繊細な足遣いが要求されることになります。

ほんの少しだけターンイン

履いた時に少しだけ、足の指が親指に向かって寄るのが分かります。

とはいえ、ほんの少しだけでなので、ターンインのシューズが苦手な方にも履きやすいです。

ヒールカップは浅くピッタリフィット

ヒールカップは浅く細いです。
かかとが尖っていない日本人に合わせた作りなので、かかとに強力にフィットし、ヒールカップをつぶすことなく、フリクションを十分に効かせることが可能です。

ヒールカップの両サイドの剛性が脆弱で、足を寝かせてヒールフックをしなくてはならない場面では、不安が残ります。

深さがないため、ジャストサイズのシューズにしないと脱げてしまいそうです。

トゥラバーはほとんどない

トゥラバーはほとんどなく、この状態でトゥフックするのは不安です。

実際にトゥフックをしたところ、もっと足首に近い位置でしなくてはならないため、ベルクロにかかってしまいフリクションは期待できません。

まさにスラブや垂壁専用のクライミングシューズといったところです。

総合評価

標準的なサイズ感で良く足になじむので、足型を選ばずどなたにも履きやすい靴です。

クライミングに必要な要素は一通り備えていて、強傾斜を登ることが少ない方には、ハイエンドシューズを使用するよりこちらの方が使いやすいかもしれません。それほどスラブや垂壁では性能を発揮できます。

反面、強傾斜が好きな方には、トゥフックに必要な性能が備わっていないのでお勧めしません。

値段も他のシューズに比べて若干安いこともあり、強傾斜を登ることの少ない方向けのエントリーシューズという位置づけになります。

強傾斜以外に限定するならば、他のシューズよりも性能を発揮できる場面も多いので、強傾斜用のシューズと履き分けて使用するのがおすすめです。