日本発のクライミングシューズメーカー浅草クライミング。
初の国産メーカーということで発売当時は注目を集めた同ブランドですが、実はクライミングシューズ以外にも靴下やチョークなども製造しているため、先発メーカーに負けない力を秘めています。
また、国産ならではの丁寧な造りや、日本人向けの足型もいかされているそうで、そこが性能に出てくるかもしれません。
特に、縫製はとてもきれいで、縫い目が足に当たることがないので気持ちよく履くことが出来ます。
それではデータから。
素材 | スェードレザー |
ソール | 摩擦4mm(浅草クライミングオリジナル) |
重量 | 225g(最大) |
実物を触った感想
深い緑色と唐草模様が印象的で、日本をイメージしているのが良くわかります。
幅広でアッパーも高め
なので、足幅があって高さもある人向けです。
足が細い人には合わないでしょう。
実際、私は足の幅が細く高さもないので、私が履くと甲の周りが余ります。
ただ、ヒールは日本人の形に合わせてあり、とてもフィットします。
アッパーはとても柔らかく、浅草クライミングオリジナルのソール「摩擦」も柔らかいので、全体的にとても柔らかく、フリクションはとても良いと思います。
ソールは 浅草登攀オリジナル「摩擦」
ソールの名前まで日本的。
ちなみにこの靴の名前は三種の神器、「劔」「鏡」「勾玉」からきているそうです。カッコイイ!
ソールを触った感じはファイブテンのステルスハイフリクションに似ています。
とても柔らかく、ステルス独特の縦皺があるのが非常に特徴的で粘りがあります。
柔らかいとはいえ、適度な硬さなのでスラブや粒に立ちこむ場合も十分使えます。外では使っていませんが、外岩でも十分活躍できると思います。
ただ、やはりどちらかというと、クライミングシューズの中では柔らかいシューズなので、傾斜壁向けのシューズだと思います。
ダウントゥは緩やか
ダウントゥは緩やかです。
これも日本人の足に合わせた結果だとおもわれますが、ここは賛否が分かれそうなところです。
傾斜壁とスラブどちらにも対応できるようにとの配慮でこのダウントゥなのかもしれません。
浅草クライミングのシューズは全体的にダウントゥは緩いです。
私個人としてはもう少ししゃくれてて欲しかったところではあります。
ターンインはしていない
ターンインはしていないので、どんな人にも履きやすい靴だとは思います。
ただ、親指が長い方は窮屈に感じると思います。
私の場合は親指と人差し指が同じ長さなので、履いても違和感はありませんでしたが、やはりシビアさを求める人には物足りないと感じるでしょう。
最も気になるのが、足の甲周りのサイズ感で、かなり幅広に高く作ってあります。
そのため、私の細い足ではブカブカでした。
足の幅がある人専用のシューズだと思います。
ヒールカップのフィット感は抜群
日本人の足型に合わせてあるだけあって、ヒールカップのフィット感は抜群でした。
アキレス腱、かかと、足の裏の角度がほぼ90度で、多くの日本人の足に合わせてあります。
さらに、タイトな造りもフィット感を向上させています。
私のかかとは典型的な日本人型で幅も細いですが、履いてみるとばっちりフィットしました。
シビアなヒールフックも足の感覚が十分に伝わってくるので、安心感があります。
逆にかかとが尖っていたり、幅がある人には窮屈に感じると思います。
トゥラバーは凹凸が欲しい
トゥラバーの面積は十分、欲を言えば最近流行りの凹凸が欲しかったところです。
このままでも十分トゥフックはできますが、あくまで「欲を言えば」です。
総合評価
より上を目指すクライマーにとって、先発のクライミングシューズブランドに今一歩及ばないかなという印象です。
その理由として
ダウントゥが中途半端
ターンインしていない
が挙げられます。
好みの問題もあるでしょうが、上級者であればあるほどこの2点は気になると思います。
良い点も当然あって
日本人の足に合っている
縫製がきれい
な点はさすが国産メーカーといったところです。
とても履きやすい靴なので、グレードにこだわらず、そこそこ性能が良くて履きやすい靴が欲しいのならば、おすすめの一足です。