アンパラレルの最上級モデル「TN-pro」レビュー

TN-proはクライマーならだれでも知っている楢崎智亜選手の意見を元に作成されたアンパラレル最上級のクライミングシューズです。

ベースはアンパラレルのレグルスをベースにしており、形状が非常に似ています。

実際にコンペでも使用しているので、性能は間違いなさそうですが気になる点もありましたので、レビューしていきます。

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材質

アッパーシンセティックレザー
ソールRHラバー(4.2ミリ)

適した足型

足の甲周りは少し細めの作りで、ターンインはそれほど強くなく、アンパラレルらしい形状をしています。

ターンインが弱めの上、アッパーとソールも柔らかく良く足になじむため、足が痛くなる方にもオススメ。

また、内側の生地の質感が柔らかく、足の入れ口が大きめなので足入れが非常にいいです。

足の入れ口が大きめではありますが、高さがあるので、しっかりとかかとがシューズに収まりクライミング中に脱げてしまう事はありません。

くるぶしにシューズが当たることもないので、非常に履きやすいクライミングシューズです。

ソールはアンパラレルオリジナルRHラバーアウトソール

ソールはアンパラレルオリジナルのソールで、かなり柔らかめです。

硬さと粘り、表面の質感がステルスのハイフリクションに良く似ています。

ミッドソールはシューズの前半分をカバーするように内臓されているため、柔らかめのソールながら、広い範囲をカバーするミッドソールのおかげで、硬さと粘りのバランスが良いです。

触った感じは、ミッドソールが硬めなので全体的に硬く感じますが、表面のソールは柔らかくフリクションが抜群なので、実際に使用してみるとホールドをしっかりとらえる感触を感じることが出来ます。

また、柔らかいソールはジブスに立ち込むことが苦手ですが、TN-proはミッドソールがしっかりしているので、ジブスにもしっかり立ち込むことが出来ます。

ソールの形状は、つま先側とかかと側に分かれているセパレートタイプではなく、一体型のソールです。

一体型のソールは、立ち込んだ時にかかとが自然と上がるため、次のムーブに移行しやすいという特徴があります。

前後にソールが分かれたセパレートタイプとは違った使い心地なので、好みが分かれるでしょう。

ターンインは緩め

ターンインは非常に緩く、アッパーも柔らかいため履きやすく、インサイドもアウトサイドも使いやすいです。

ヒールカップは出っ張っている

ヒールカップはかなり出っ張っていて、ファイブテンのチームファイブテンの様な形状をしています。

これほどヒールカップが出ている形状は、最近のクライミングシューズには珍しく、かかとが出ていない日本人には合わない人も多そうです。

幅は太くも細くもないですが、最新のクライミングシューズのように剛性はそれほど高くありません。

ヒールフックした時に、ヒールカップの形状が変わりフリクションを得るような形状なので、好みが分かれるでしょう。

トゥラバーは標準的な性能

トゥラバーに凹凸のパターンはなく、内側だけに貼られて、外側にラバーは貼られていません。

アッパーが柔らかいので、足にしっかりフィットし、トゥフックした時にアッパーが動いてしまう事はありません。

トゥラバーの面積、フリクション共に標準的な性能です。

ベルクロは心配

ベルクロは粘着力が弱く、劣化が早いです。

そのため、だんだんと粘着力が弱まり、クライミング中にはがれてしまうかもしれません。

ベルクロによる締め付けも弱くなってしまうので、非常に気になります。

最後に

レビューの結果、ソールの性能や、アッパーの柔軟性とフィット感はかなり良いと感じました。

ヒールカップの形状にはかなり癖があるため好みが分かれ、トゥの性能は標準的です。

全体的に良くまとまったシューズで、普段使用する上で不便は感じませんが、今年発売されたクライミングシューズと比べると、ベルクロの粘着力不足など細かい点が気になりました。

ヒールカップは他にはない形状ですが、足にフィットすれば十分な性能を発揮でき、ベルクロの粘着力が弱い点をクリアできれば非常に良いクライミングシューズと言えるでしょう。