超人気クライミングシューズ「ドラゴローボリューム」使用レビュー

2020年11月に発売されたドラゴローボリュームを実際に使用してみました。

多くのプロクライマ―が使用してきたSCARPAのドラゴのニューモデルとして登場したドラゴローボリューム。

発売した途端に人気が爆発し、何処のショップでも品切れ状態の大人気クライミングシューズです。

今回はこのドラゴローボリュームを1か月ほど使用してみたので、レビューをしていきたいと思います。

材質

アッパーマイクロファイバー(人工皮革)
ソールビブラムXSグリップ2(3.5mm)
重量215g(EUR40、1/2ペア)

足型

ローボリュームというだけあって、シューズの高さやヒールのボリュームがかなりコンパクトになっています。

いつものサイズと同じサイズを選べばちょっときつめのサイズ感となり丁度いいと思います。
普段使用しているクライミングシューズよりもハーフサイズ小さく感じると思います。

通常のドラゴで不満があったシューズの遊びがなくなり、より足にフィットするようになりました。

私はこれだけでドラゴローボリュームを買ってよかったと思います。

コンパクトになった分、足入れは少し悪くなっています。

クライミングシューズを履くときだけなので、私は足入れは気にしませんが、ここは好みが分かれそうです。

通常のドラゴでさえ足が痛いという方がいたので、それよりもさらにコンパクトなドラゴローボリュームは足型を選ぶシューズとなります。

ドラゴローボリューム
ドラゴローボリューム
ドラゴローボリューム
ドラゴローボリューム
ドラゴローボリューム
ドラゴローボリューム

ボリュームが小さくなった分、足入れはよくないです。

ソールはビブラムXSグリップ2

ソールは通常のドラゴと同じくソールはビブラムXSグリップ2で、前後に分かれているセパレートタイプです。

ビブラムソールの中では最も柔らかいソールで、ジムで使用するのに向いています。

外岩でも不自由なく使用できますが、ソールの消耗が早く少しもったいない感じもします。

また、外で使用するのであれば、極小の突起にも立ち込めるようもう少し硬めのソールの方が向いているので、ジム向きのソールといえそうです。

ミッドソールはドラゴと同じく小さく柔らかめ

通常のドラゴのミッドソールは小さく柔らかめでしたが、ローボリュームも通常ドラゴと同じミッドソールを採用しているようです。

ソール自体も柔らかめなので、大きめのサイズを履いてしまうと、力が十分伝わらずに極小のホールドに立ちこんだ時にソールが負けてしいます。

そのため、力をつま先に伝えられるよう慎重にサイズを選んだ方がよいでしょう。

上でも書きましたが、いつものサイズと同じサイズを選べばちょっときつめのサイズ感となり丁度いいと思います。

ダウントゥ

つま先側のソールの厚みは均一で、スポルティバなどにみられるような鉤爪のような形状ではありません。

ダウントゥは多くのクライミングシューズの中でも屈指の強さといえるため、クライミングを始めたばかりの方にはつらいかもしれません。

反面、上級者にとっては強傾斜にもってこいのクライミングシューズとなるでしょう。

ダウントゥの形状を保ち、土踏まずからアキレス腱に向かって伸びるスリングラバーも健在です。

スリングラバーがあると、つま先が自然と下を向くので掻き込みが容易になります。

強烈なターンイン

ドラゴがどうしても履けない人を生み出す原因の一つであるターンインの強さはローボリュームでも健在です。

つま先の頂点は、親指に最も近く、足の人差し指が長い人にはつらいかもしれません。

力が最も強い親指に頂点が近い分、シューズからホールドに伝わる力も最大なので、小さなホールドもしっかり捉えることができるのが強みです。

ドラゴローボリューム

ヒールカップはよりコンパクトかつ剛性がアップ

ドラゴローボリュームが通常のドラゴと大きく違う点が、ボリュームダウン以外にヒールカップの剛性アップです。

ヒールカップのボリュームは小さくなっていますが、カップを覆うラバーがより厚く、足首近くまで長くなりしっかりとヒールカップの形状を維持。

ヒールの剛性が低いシューズは、フックしたときに、「クニャッ」とヒールカップがひしゃげてうまくヒールフックができないことが多くあります。

ドラゴローボリュームは剛性が向上しているので、しっかりとフリクションを利かせた状態でヒールフックをできます。

ただ、ヒールカップのボリュームダウンに伴い浅くなっているため、足の厚みがある方はしっかり足を入れることができずに、脱げやすくなる可能性があります。

そもそも、足の厚みがある方はローボリュームを選ばないと思いますが・・・。

ドラゴローボリューム
ドラゴローボリューム

トゥーフックの性能は向上

ボリュームダウンに伴う足の遊びの現状で、トゥーフックの性能は間違いなく向上しています。

これまでの通常ドラゴだと、足の厚みが薄い方にとって足の遊びがあったため、シューズと足が一体とはなりませんでした。

そのため、トゥーフックした時にシューズのなかで足が動いて、うまくフリクションを得ることができない場合がありました。

今回ローボリュームとなったことで、この遊びがなくなり間違いなく性能が向上しています。

ベルクロは1本締め

SCARPAのベルクロは強力で、粘着力が弱くなりにくいです。

何度も付け剥がししているうちに弱くなってしまうベルクロとは違い、安心感があります。

総合評価

今話題のクライミングシューズ、ドラゴローボリュームをレビューしてみました。

通常のドラゴとの性能差は、ヒールカップの剛性アップで、その他はサイズ感の違いだけです。

性能差はほとんどなく、自分の足に合う方を選んだ方が性能を発揮できるでしょう。

日本人は足が欧米人に比べて薄いので、通常のドラゴではなくローボリュームの方があっている方の方が多いのではないでしょうか。

通常のドラゴとローボリュームから選べるので、自分の足型に合うクライミングシューズを選択することができるようになり、これまでドラゴを履いていて満足していた方も、ローボリュームを履いてみるとサイズ感の違いに驚くことと思います。

是非ローボリュームを体感してみて、適した方を使用していただければと思います。

下にリンクを張っておきますが、Amazonは高いので、楽天かyahooで買うのがおすすめです。
ローボリュームなので、いつも履いているクライミングシューズよりもハーフサイズ小さく感じます。

せっかくのローボリュームなのでいつも通りのサイズを選択するか、ハーフサイズ大きいサイズを選択するとよいでしょう。