ボルダリングジムや岩場では、落下した時に足を捻挫したり、指を痛めたりすることが非常に多く、経験した事がある人も多いのではないのでしょうか。
そんな時は、怪我の様子を見るのではなく、すぐに応急処置をするべきです。
今回はその応急処置について、正しい方法をご紹介します。
RICE処置
ボルダリングで最も多い怪我は、捻挫や脱臼、打撲ですが、これらの怪我に最も効果的な応急処置がRICE処置です。
RICE処置とは
- Rest 安静
- Icing 冷却
- Compression 圧迫
- Elevation 挙上
の頭文字を取ったものです。
負傷すると、患部の細胞から体液がしみだして、周囲の健康な細胞を圧迫し、血流を妨げて更なる細胞の破壊が起こってしまいます。
このような症状を緩和するためにRICE処置が有効です。
Rest 安静
怪我した直後は、それほど痛みを感じなことが多く、しばらくクライミングを続けてしまうことが多いです。
そのため、怪我の発覚が遅れてより重症化してしまう可能性があります。
怪我をしたかもしれないと感じたら、すぐにクライミングを中止して安静にすることが重要になります。
その日の数時間のクライミングの為に、数日又は数週間、治療が長引くことを考えれば、怪我した直後から安静にした方が良いのは明白でしょう。
Icing 冷却
氷のうや冷水で患部を冷却します。
こうすることで、痛みを軽減できる事に加え、血管を収縮させて血流を抑制し、腫れや炎症を抑えることが出来ます。
腫れや炎症は、健康な細胞までも破壊してしまうので、冷却はこれを防ぐことができます。
アイシングについて詳しくは以前の記事を参考にしてください。
Compression 圧迫
患部を圧迫することで血流を抑制し、腫れを抑えることができます。
強すぎると逆効果になってしまうので、しびれるほど強くならないように、指先やつま先の感覚が確認できる程度の強さで行います。
具体的な圧迫の方法としては、氷のうを患部ごとテーピングで固定して圧迫する方法が効果的です。
Elevation 挙上
患部を心臓よりも高い位置に上げることで、重力で血流を抑えることができ、腫れや炎症を抑制する効果があります。
応急処置後の対処
軽い捻挫や打撲である場合は、RICE処置を継続し、腫れが収まってきたら、安静と固定を続けます。
もし、重症である場合は骨折などの可能性があるので、すぐに病院へ行きましょう。
完治した後の対応
捻挫や脱臼は癖になりやすい怪我です。
きちんと治療しないと、患部が硬くなったり、脱臼しやすくなったりといった症状が残ります。
同じ怪我を繰り返さないように、どのような時にケガをしたのかを考えて再発しないよう気を付けましょう。