当サイトでは、これまでボルダリングに必要な3つの能力である「回復系」「持久系」「瞬発系」について、それぞれのトレーニング方法をお伝えしてきました。
回復系トレーニングとしては、ローカルエンデュランス・トレーニングを解説しましたが、今回は同じく回復系トレーニングであるスタミナトレーニングをご紹介します。
回復系や持久系等の能力の特徴については以前の記事を参考にしてください。
スタミナトレーニングとは
スタミナトレーニングはローカルエンデュランスと同じく回復系トレーニングの一種です。
ローカルエンデュランスが最大負荷の20%~30%の負荷で行うのに対して、スタミナトレーニングは最大負荷の30%~70%で長時間のクライミングを行うトレーニングになります。
ローカルエンデュランスは、完全に回復系トレーニングですが、スタミナトレーニングは回復系能力を向上させつつ、基礎的な筋力と体力を向上させることができます。
スタミナトレーニングを行う時期
ローカルエンデュランスを十分な期間行ってからスタミナトレーニングに移行するのがよいでしょう。
ローカルエンデュランスに比べて負荷が大きい上にトライ数も多いので、回復力が高くなければやりきることが出来ません。
充分に回復力を高めてからスタミナトレーニングを開始する方が良いでしょう。
強度
最大筋力の30%~70%の負荷で行います。
具体的なグレードとしては、オンサイト出来るグレードよりも2~3グレード下を中心にしましょう。
手数
スタミナトレーニングは、30分から45分登り続けるトレーニング方法です。
上で説明したような強度のムーブを壁の中で延々と続けます。
30分を2セット、若しくは45分を1セット行う事が出来るようにしましょう。
休憩の取り方
セット間の休憩は十分に疲労を取るため、30分~と長めに設定します。
頻度
週に3日~4日行い、他の持久系や瞬発系トレーニングをしている期間も週に1度行う事が理想です。
トレーニングの期間
このトレーニングを開始しても、すぐには設定したルール通りに完遂することはできないでしょう。
完全にルール通りにできるようになるには、2週間から1カ月程度必要になるはずです。
スタミナトレーニングのポイント
上の表を見て分かるとおり、スタミナトレーニングとローカルエンデュランスの違いは最大負荷の違いのみになっている。
まずは、ローカルエンデュランスで回復力を十分に向上させてから臨みましょう。
パンプしない程度の強度で行う
このトレーニングをしていて焼け付くような激しいパンプをする場合は、負荷が大きいと判断できます。
パンプしすぎると、スタミナトレーニングの目的である毛細血管の発達を阻害することになってしまいます。
そのため、トレーニングを終える時に疲労のピークが来るような負荷で行うようにします。
トレーニング場所の確保
30分以上壁に取りつく必要があるため、問題となるのがトレーニングの場所です。
クライミングジムでは壁を占領することになってしまうため、長めの課題を登ってゆっくりクライムダウンしてから、すぐに他の壁に移ってまたトライするという事を繰り返す方法が良いでしょう。
最後に
当サイトでは、これまでローカルエンデュランス、スタミナトレーニング、ビルドアップ、マックスパワーという4種類のトレーニングについて解説してきました。
中には低から中程度の強度で延々と登るトレーニングもありますが、クライマーの習性でついつい強度を強くしてしまいがちです。
それぞれにトレーニングの目的があるので、冷静にトレーニングの目的を見失わないようにしましょう。
その他のトレーニング方法についてはこちら。