ボルダリングとクールダウンの関係とポイント

クールダウンは疲労を取り除き、硬くなった筋肉をほぐして怪我を予防したり体の状態を整えたるする効果があります。

しかし、クールダウンを行っているクライマーは意外と少数で軽視されているようにも思えます。

今回はクールダウンの重要性とそのポイントについてお伝えします。

クールダウンの重要性

クライミングジムで多くのクライマーを見る反面、クールダウンを行っているクライマーは少数で、その効果が軽視されているように感じます。

クールダウンの効果

クールダウンとは、運動の後に行われる整理体操の事であることは良く知られていますが、それにどのような効果があるのかは意外と知られていません。

クールダウンという名前なので冷やす事かと思われがちですが、実際は

  • 運動によって収縮して筋肉を伸ばして柔軟性を戻す。
  • 関節の可動域を戻す。
  • 血流を促進し疲労物質の除去を促進させる。

という効果を得ることが出来ます。

クールダウンをしない事によるデメリット

クライミングは非常に激しいスポーツで筋肉や関節等に強烈な負担を強いています。

収縮を繰り返した筋肉をそのままにしておくと硬くなってしまいます。

また、クライミング中は関節を曲げる動作が非常に多くなり、伸ばす事を意識する事はほとんどありません。

クールダウンをすることによって、硬くなった筋肉と曲げてばかりの関節に柔軟性を与え、血流を促進させ疲労の回復を早めることが出来ます。

多くのクライマーが週に何度もクライミングをしていますが、適切なクールダウンを行う事により、体の調子を整えて次回のクライミングにも良い影響を与える事になります。

これを怠ると、疲労が蓄積されるばかりで、いつかケガをすることになりかねません。

体の故障や慢性的な痛みを抱えている方は、クールダウンを見直してみてはいかがでしょうか。

クールダウンのポイント

徐々に強度を落とす

その日のクライミングを終了してから急にストレッチに移行すると、体に溜まった疲労物質が十分に除去されません。

そのため、本気のトライを終えたら徐々に強度を落として軽いクライミングを行う事で、血流を促進し疲労を早く除去することが出来ます。

クールダウンにかける時間

クールダウンには30分程かけるのが一般的です。

軽いクライミングを行った後、ストレッチを行う事が理想ですが、クライミングジムだと時間の都合上、ジムでストレッチが行えない場合もあります。

余り時間を空けてしまう事は得策ではないので、自宅などですぐにストレッチを行うようにしましょう。

ストレッチする女性

クールダウンといえども気を抜かない

怪我をしないように適度な緊張感を持つ

クールダウン中の軽いクライミング中に不用意に力を抜くと筋肉ではなく、腱や骨に過度な負担をかけることになります。

腱や骨は筋肉程の柔軟性はなく、怪我した場合の回復も非常に遅いです。

俗にいう「パキる」場合は、このように不用意に力を抜いた時に起こりやすいので気を抜かないようにしましょう。

クールダウン中でもフォームを確認しながら

普段は高グレードの課題にトライすることに囚われて、基本のムーブのフォームをチェックする機会はそれほど多くありません。

クールダウンの軽いクライミング中は、簡単で強度の低い基本的なムーブのフォームをチェックする絶好の機会です。

基本のフォームについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

軽いクライミングとは

クライミングジムであればやさしいルートを3本程度、岩場であれば帰りの山道で充分なクールダウンになります。

ストレッチの方法

ストレッチは動的ストレッチと静的ストレッチがありますが、クールダウン場合静的ストレッチを行います。

およそ30分程かけてじっくり行う事が基本です。

ボルダリングは前腕や背中、太ももの横の筋肉を酷使します。

この部位が硬くなると姿勢が猫背ぎみになってしまい、故障や痛みの原因になってしまうので、これらの部位を良くストレッチするようにしましょう。

クールダウンの後はアイシング

クライミングよって損傷した細胞は炎症を引き起こします。

炎症は放っておくと周囲の健康な細胞までも破壊してしまう事になりますが、アイシングによってそれを抑えることが出来ます。

炎症を抑えることは、組織の回復を早めて次回のクライミングのパフォーマンスを向上させることに繋がります。

アイシングの方法については過去の記事で詳しく解説しています。

最後に

クライミングのトレーニングも重要ですが、トップクライマーほどトレーニング以外の事も時間をかけて真剣に行っているものです。

クライミングジムの一般のクライマーとプロクライマーの大きな違いは、トレーニングの内容以上にクライミング以外の準備にあるのではないでしょうか。