今回履いた靴は、あの小山田大がプロデュースした
evolve agro(イボルブ アグロ)
です。
現在は一般販売はしておらず、ネット販売で一度購入してからイボルブジャパンの工房でオーダーメイドカスタムをするという方法でのみ入手可能です。
今回はそんなプレミアムなシューズを試し履きしてみました。
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材質
素材 | シンセティック |
ソール | TRAXソール |
重量 | 250g(US9) |
実物を触った感想
一見固めかなと思ったんですが、持った瞬間
うわ、柔らかい
と思うくらいソールは柔らかかったです。
アッパーはしっかりしていながら、重量は見た目より軽いと感じました。
ターンインは控えめ、幅広な造りなので、足の指が長かったり足幅が広い人にピッタリはまりそうなシューズです。
ソールは TRAXソール
ソールはとても柔らかく強傾斜で特に威力を発揮することができました。
しかし、その柔らかさゆえにスラブで小さなホールドに立ち込むのは難しかったです。
スカルパのドラゴなどに使われているビブラムXSグリップ2に近い柔らかさだと思います。
今回履いた靴は数カ月履いた靴でしたが、新品のアグロでもかなりソールは柔らかいので、履きならす期間は非常に短くて済みます。
固い靴を我慢して履きならすのが嫌な方など、特におすすめです。
反面、ファイブテンのステルスシリーズのソールと比べると、触った感触がさらさらしていて、若干粘りが劣っているように感じました。
ダウントゥはかなり強め
写真からは想像できないほどダウントゥは強いです。
足を入れると、足のアーチに沿って靴が追従し強いダウントゥを生み出します。
これが傾斜壁をより登りやすくしています。
ターンインは控えめ
ターンインは控えめなので、足の中指が長い方には良いパートナーになりそうです。
私の場合は、親指と人差し指が同じ長さですが、痛みなど感じることなく履くことができました。
しかし、親指が長い方にとっては、靴に親指が当たって履きにくい靴になるかもしれません。
ヒールカップは標準的な大きさ
ヒールカップは細すぎず太すぎず適度な大きさです。
特にとがっているということもないので、アキレス腱、かかと、足の裏が直角の人に適しています。
固さはやや硬めで、ヒールをつぶしてホールドに乗るというタイプではなく、しっかりとフリクション効かせるタイプなので、履いてみてかかとが余るという方は合わないと思います。
トゥラバーはしっかりと足全体カバー
トゥラバーはしっかりと足の甲全体をカバーしています。
そのため、どの角度からもトゥフックをすることが可能です。
ただ、スカルパのインスティンクトのような凹凸はなく、のっぺりとしているので、できればもう少し凹凸が欲しところです。
どうしても気になるのであれば、購入時にカスタムしていかついトゥラバーにしてしまいましょう。
ベルクロの締め方はベスト
ベルクロは1本で3か所を締め付けることができるタイプで、足の甲の占有面積が少なく、トゥフックする際に干渉することは少なそうです。
スポルティバのソリューションと同じ方式の止め方ですが、アグロのほうがベルクロが太く切れる心配は少ないです。
ただ、ベルクロのマジックテープの強度が非常に弱く、半年履いた程度で粘着力が著しく低下し、登攀中にベルクロがはがれてしまうのは致命的な欠陥と言わざるを得ないでしょう。
総合評価
柔らかくて足入れもよいので、履きやすい靴ではあったのですが、ソールはステルスやビブラムの方が良いです。
また、ベルクロの粘着力が弱いという欠陥は、購入を思いとどまらせる重大な欠陥です。
もし、カスタムでこれらの欠点を克服できるならば、文句のつけようのないシューズになると思います。
現在はオーダーメイドのみでの販売という、他にはない販売方法ですが、だからこそ、自分好みに最強の靴に仕上げることも可能なので、気になる方は公式HPから問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。