ボルダリングをしていれば、大なり小なり怪我をしたことが有るはず。
腱や骨を損傷した場合、しばらくボルダリングが出来なくなることもあります。
その場合、完治するまでボルダリングをやめるのか、出来ることをして復帰にそなえるかで、復帰後のスタートが変わってきます。
今回は、怪我から復帰した時により強くなって復帰する方法を、プロクライマーから学んでみましょう。
指の腱鞘の80%を断裂したショウナ・コクシー
足の骨折、肩の負傷に続いて、指の腱鞘を完全断裂に近い形で負傷したイギリスのプロクライマー ショウナ・コクシー。
数々の不運を乗り越えて、昨年の八王子で行われた世界選手権では3位を記録する活躍を見せました。
この選手は怪我の間何をしていたのでしょうか。
すぐに気持ちを切り替える
怪我をして、しばらくボルダリングができないからと言って、くよくよしている時間はもったいないです。
それで怪我が治るわけでもないので、すぐに気持ちを切り替えましょう。
ショウナ・コクシーは自身の事を、「うざい位ポジティブな人間」と言っています。
怪我をしても、イライラしたり、くよくよする時間は5分くらいで、すぐに気持ちを切り替えて次に何をすべきかを考えているのです。
怪我した部位は強制レスト
ショウナ・コクシーは怪我した部位は完全にレストさせました。
怪我をしても、まだ登れるからと言ってボルダリングジムで登っている人を見かけます。
怪我した部位を使わず登ることが出来るのならばよいですが、そのようなケースは稀です。
無理して登っては、回復は遅くなるし、怪我を悪化させてしまうかもしれないため、怪我した部位は絶対に使ってはいけません。
怪我していない部位をトレーニングする
次に、怪我していない部分のトレーニングをしました。
上半身を怪我していたなら足を、足を怪我していたなら上半身をトレーニングしましょう。
- ストレッチ
- ぶら下がり
- 懸垂
- スクワット
- ランニング
など、怪我をしていても何かできるトレーニングがあるはずです。
このような基礎的なトレーニングを改めて行うことで、健康だった時には見えなかった自分の足りない部分が見えてきて、そこを補うことが出来ます。
復帰後に再びケガしないために
負傷が癒えたら、次に考えなければならないことは再び怪我をしない方法です。
最も簡単な方法はウォーミングアップをしっかりと行う方法です。
ショウナ・コクシーのウォーミングアップ方法は
たとえ夏でも、ジャケットを着て5分~10分間、壁を登ったり横移動したり、いろいろなムーブやホールドを確かめながら、しっかり汗をかくまでクライミングをする
という方法です。
夏場にジャケットを着てウォーミングアップをするなんて驚きの方法ですが、それくらいしっかり体を温めてからボルダリングに臨みます。
また、なぜ怪我をしたのかを考えることも重要です。
着地が悪かったのか、ホールドの持ち方が悪くてけがしたのかを考えてみましょう。
- つま先から着地して足首を捻挫する。
- マットの外に着地してかかとを骨折する。
- クライミング中に力を抜きすぎて上腕の筋を伸ばす。
- ポケットを保持している時に落下し、保持している手が残ってパキる。
これらは、私が実際に怪我した時の原因です。
私以外のクライマーも、ほとんどこのような原因で怪我しているので心に留めておきましょう。
最後に
- すぐに気持ちを切り替える。
- 怪我していない部分をトレーニングする。
- ウォーミングアップを十分にする。
- 怪我の原因を考える。
という事をお話しました。
怪我を乗り越えて成果を出しているプロクライマーがいると知れば、自分が怪我した時も、何も心配する必要がないとわかります。
万一怪我してしまった時は、このことを思い出してみましょう。