小指の重要性とトレーニングのコツ

ボルダリングをしていて小指を意識することはかなり少ないと思います。

しかし、小指はボルダリングをする上でとても重要な指で、使えないと保持力が大きく低下します。

例えば、剣道の竹刀を握る時は小指でしっかり握って、他の指は握り込まずに緩く握る事がコツで、小指がうまく使えない人はものすごく弱いそうです。

今回はその重要な小指と、トレーニングのコツについて解説します。

小指がなぜ重要か

トップクライマーは小指を使う

アメリカのトップクライマー、アダムオンドラがインスタグラムで次のように説明しています。

小指を積極的に使う事は、効率的なクライミングをする上で極めて重要。
全ての指を使う事で、指から肩へ伸びる筋肉を効率良く鍛えることができ、パンプしにくくなるはず。
指3本の小さなカチホールドを保持する時は、中指、薬指、小指の3本でもつと、接地面積が少なく、より密着してホールディングできるので、人差し指、中指、薬指を使うより持ちやすい場合がある。
手首の延長線上にある中指、薬指、小指を使うことで、腕が真っ直ぐになり素直に力が入る。

つまり小指を使うと、腕の筋肉もバランス良く鍛える事ができる事と、人差し指、中指、小指を使うとカチが持ちやすくなる場合があると言っています。

単純に保持しやすくなる

いかに細くて力が入らない小指でも、ないよりあったほうが接地面積が増えるのでいいに決まっています。

小指は他の指と比べて短いため、小指を使うと他の指を小指の長さに合わせて保持しなくてはならないので窮屈に感じます。

これが小指が使われない原因ですが、小指が使える場面ではきちんと使った方が最終的には保持力が強くなります。

最初は使いにくい小指ですが、意識して使うようにしましょう。

小指を上手に使うコツ

結論を説明すると、脇を締めることが小指の力を上手に使うコツです。

物を摘むピンチの動きをする時、親指の反対側には人差し指と、中指があるため、この3本はホールドをしっかりと挟めて力が入ります。

しかし、薬指と小指の反対側にはなにも無いため、ただホールドを押しているだけです。

ここで脇を締めると、指の力だけでなく体全体の力が小指からホールドに伝わるので、強力に保持する事ができます。

ボルダリング脇が開いている
脇が開いている
ボルダリング脇を締めるのがコツ
脇を締めるのがコツ

また、試しに小指を動かして、反対の手で脇の下を触ってみてください。

筋肉が動いているのか分かると思います。

この逆も同じで、体に力を入れると小指にも力は伝わっているため、体を意識すると小指に力を入れやすくなることからも、脇を締める事は重要なコツと言えます。

力み過ぎてはいけない

力んだままだとその部位は動かすことができません。

動くには一度脱力しなければならず、力んだ分だけ体力を消耗します。

力を入れなければならないポイントと、脱力して次のムーブにつなげるポイントをしっかりオブザベーション(課題を観察すること)して見極めましょう。

小指のトレーニングとそのコツ

普段から小指を使う

無理ない範囲で積極的に使うようにしましょう。

特に、指3本のカチは小指、薬指、中指で保持するとトレーニングの効果が高いです。

初めはやりにくくても、そのうち小指を使う前より強くなるはずなので、諦めずに続けましょう。

早ければ1ヶ月くらいで結果が出るはずです。

小指を独立して動かせるトレーニングをする

普段から小指を遣えてないと、一緒に薬指も動いてしまいます。

小指だけでできるよう、最初は他の手で小指以外を押さえてトレーニングしましょう。

小指を独立して動かすことができると、出力が上がり保持力がアップします。