ボルダリングでのホールドのつかみ方

始めたばかりの頃は、ホールドの掴み方なんて全然気にしなかったけど、だんだんホールドが小さくなるし、持つところがないし、どうやってつかんでいいか分からないって思いますよね。

クライミングジムで使われているホールドにはいくつか決まった形状があって、それぞれ呼び方が決まっています。

今回はホールドの名称や掴み方を写真を使いながら解説していきます。

ガバ

「ガバっとつかめる」のでガバと言われるホールドです。
「ジャグ」ともいわれます。
指がしっかり引っかかるので、非常に持ちやすいです。

ジャグとは英語ですが、「いい形をした女性の胸」を意味するそうです。海外で使うときは注意ですね。

持ち方もなにも、指を引っかけるだけです。
非常に持ちやすいですが、ランジの目標に設定してあることも。

ガバを持つときの持ち方の事を「ガバ持ち」と言います。

アンダー

下から持てるようになっているので「アンダー」と言います。

下からもつのですが、足を上げると持ちやすくなります。
具体的には腰のあたりにホールドが来るくらい足を上げると良いです。

ピンチ

「つまむように持つ」という意味でピンチと言われます。
なかなか持ちにくく、引っかかりがないとかなり極悪なホールドになることもあります。
特に、ルーフなどで出てくると核心にもなり得ます。

まさに指先でつまむようにして持ちます。
握り込むことが出来ないので、力を入れにくく苦戦します。

持ち方のコツは、指全体に力を入れるのではなく、特に指先に力をいれて、他の部分は触れる程度にすることです。
そうすることで、力を入れやすくなります。

ピンチも持つときの持ち方を「ピンチ持ち」と言います。

カチ

小さいので「カチッ」と持つからこのように呼ばれます。
指先しかかからないので、ここで苦戦する人が多いです。

持ち方は2つあります。

一つは指を揃えて、ホールドに引っ掛け、親指を人差し指に添える持ち方です。
指の形が固定されて持ちやすくなります。

しかし、引っかけているだけなので、体が振られると途端に持ちにくくなります。

この持ち方の事を「カチ持ち」「クリンプ」と言います。

もう一つの持ち方は、親指以外を引っかけて、親指はホールドに添える持ち方です。
始めの内はこれよりも、カチ持ちした方が持ちやすく感じますが、慣れると体が振られる動きをしてもこちらのほうが安定します。
上級者は大体こっちです。

「オープンハンド」「タンデュ」と言います。

強い人はピンチ持ちする人もいます。

ハンドル

ハンドルのように握り込めるような形状なので、こう呼ばれます。
ガバ以上に持ちやすく、まるで鉄棒のようです。

持ち方は説明するまでもないですね。

スローパー

スローパーの語源はわかりませんでした。どうやら国内でのみ通じる造語のようです。

丸くてつかみどころのない形をしていて、手の指と平全体を使って保持します。

最も嫌われるホールドだと思います。

手の指、平全体を押し付けて保持します。
この時べたっと全体に均一に力を入れるのではなく、指先に力の比重を多くかけるとうまく持てることが多いです。

形状によってはもう一つの持ち方ができる場合があります。

「ラップ持ち」という持ち方で、横からホールドを抱えるようにする持ち方です。
ホールドとの接地面が多くなり、力を込めやすいので持ちやすいです。

ポケット

その名前のとおり「ポケット」の様な形をしています。

入口が狭くなっていて、指が1本しか入らないものや4本しっかり入るものなどいろいろあります。指が奥までしっかり入る持ちやすいものもあれば、指先しかかからない極悪なものも。

入口が狭いので、持ち方が限られます。
基本的に指の中で親指の次に強い中指と他の指を使います。
2本しか指が入らない時は、中指と薬指、又は中指と人差し指を使います。
どちらがいいかは人によって違い、薬指と人差し指を比べて長い方を使います。
理由は中指が一番長いので、それに合わせた長さの指を使わないと持ちづらいからです。

どちらがいいかは人によって違い、薬指と人差し指を比べて長い方を使います。
理由は中指が一番長いので、それに合わせた長さの指を使わないと持ちづらいからです。

ボテ

「ボリューム」とも言います。
形状は様々、とにかくでかいやつは大体ボテです。

形状のバリエーションが非常に多く、決まった持ち方がありません。
上で説明したどれかで持つこととなります。

体重は下に落とす

今まで説明してきたホールドの持ち方ですが、劇的に持ちやすくする方法がましす。それは

重心を下げること

です。重心をさげるとそれだけ手からホールドに力が伝わりやすくなります。

たとえば、鉄棒にぶら下がるとき、腕を曲げて重心を上げるのと、腕を伸ばして重心をさげるのとどちらが楽でしょうか?
重心を下げた方ですよね。

重心を下げると、まず、腕を曲げるための力を節約できること、そして手に力を入れやすくなるという2つの意味でメリットがあります。

ただし、アンダーだけは重心を下げるのではなく、逆に上げた方が良いので気を付けてください。

すぐにつかれる、ヨレるという方は試してみてください。
こちらにも詳しく書かれています。

結局はオブザベ力と経験

いろいろ説明してきましたが、どのホールドも決まった持ち方はありません。

ピンチホールドをカチで持つこともあれば、スローパーをカチで持つこともあります。

始めの内はどうやって持ったらいいかわからないですが、経験を積めば、オブザベの段階でどのように持ったら最も楽か分かるようになってきます。

そして、経験を積むには

とにかくのぼりまくること

が大事です。
考えることも大事ですが、考えても分からなかったらとにかく登りましょう。
それでも出来なかったらきっとフィジカルが足りていないのです。
だから、それでも登る。そうすれば経験もフィジカルも鍛えられるからいつかはできるようになります。