一度怪我をしてしまうと、長い間ボルダリングをすることが出来なくなってしまい、筋力や低下してしまいます。
体を動かすことが少なくなるので、柔軟性も低下してボルダリングが出来ないことでストレスもたまります。
スポーツをしている以上、怪我は付き物ですが、怪我する時には怪我をするだけの理由があり、それに気を付けていれば怪我をする可能性を大幅に少なく出来ます。
今回は、その怪我をする理由についてお伝えします。
ウォーミングアップをしていない
ボルダリングジムに来てウォーミングアップをせずに登り始めるクライマーを目にすることが良くあります。
そして、登り始めてすぐに怪我をしてしまうという場面もこれまで何度か目にしてきました。
ウォーミングアップは体を温めるという効果以外にも、冷えて硬くなった筋肉や筋を伸ばして急激な運動にそなえるという意味もあります。
また、これから運動をするぞ、という心の準備も兼ねていて、体の動きがスムーズになるだけでなく、とっさの時の危機回避能力を向上させることができます。
登り始めてすぐにマットの無い所に落下して足を骨折したという場面も見たことがありますが、ウォーミングアップをしていれば落ちる瞬間にマットがある方向に飛ぶことが出来たかもしれません。
ウォーミングアップはトップクライマーであれば約1時間かけて汗ばむくらい念入りに行っていますが、一般のクライマーにはウォーミングアップにそれほどの時間をかける余裕はないでしょう。
少なくとも20分くらいは、動的ストレッチと簡単な課題でウォーミングアップをするべきでしょう。
動的ストレッチについては過去の記事をご覧ください。
クリンプを多用する
クリンプとは、カチホールドの保持の方法です。
クリンプは指に最も大きな負荷がかかる保持の方法で、指の筋を痛めたり関節が変形してしまうことがあります。
典型的なカチホールドを保持する持ち方として、クリンプとオープンハンドの2種類があります。
クリンプをアーケ又はカチ持ち、オープンハンドをタンデュとも言います。
クリンプとオープンハンドの違いは見て分かる通り、クリンプは親指を添えて握り込むように保持しています。
クリンプが怪我をしやすい理由
クリンプは親指を添えて握り込む分、壁からの距離が遠くなります。
写真で比較すると、オープンハンドに比べて、こぶしの厚みがある事が分かるでしょう。
ホールドに触れている指先からの距離が遠くなる事で、より大きな力で保持することを要求されることになります。
また、指から伝わる力が一度上へ伝わり、また下方向へ向かうので相反する力で押しつぶされる形になり、負荷が非常に大きくなります。
クリンプでトレーニングしてもオープンハンドは強くはなりませんが、オープンハンドでトレーニングすればクリンプも強くなります。
慣れないうちはクリンプの方が保持しやすいと感じるかもしれませんが、怪我の予防とトレーニングの観点から、可能な限りオープンハンドで保持する事を心がけて、クリンプはいざという時に使う方が良いでしょう。
保持しながら懸垂運動をしている
ホールドを保持するように手を握り込むと前腕の筋肉が収縮するのが分かると思います。
懸垂をする時にも腕の筋肉が収縮するので、薄くて小さいホールドを保持しながら懸垂をすると、ホールドを保持するための加重と懸垂するための荷重の両方が腕の筋肉やその周りの組織に大きな負担をかけることになります。
そのため、保持力の為のトレーイングと懸垂等のトレーニングは別々に行った方が良いでしょう。
腕を完全に伸ばして懸垂をしている
トレーニングで懸垂をする時、腕を完全にのばすと肘を痛めることがあります。
腕を伸ばした時に、それ以上曲がらないのは骨と骨が当たっているからで、懸垂する時に何度も腕を伸ばしていると、骨が何度もあたり痛めてしまいます。
また、懸垂は下がる時に勢いがついているので更によくありません。
下がる時はほんの少し腕を曲がった状態を維持しましょう。
トライ中に力を抜きすぎる
指のかかりがいいポケットホールドや、たとえガバであったとしても、安心して力を抜きすぎることも怪我の原因です。
力が入っていれば筋肉が骨格や腱を支える事が出来ますが、力を抜きすぎると筋肉以外に負荷が集中してしまいます。
これは私の経験ですが、私が指をパキッた時の原因の8割は、かかりがいいホールドを保持している時に力を抜きすぎたことが原因だと感じています。
例え簡単な課題であっても、トライ中は緊張感を失わないようにしましょう。
落下時に緊張が解ける
ボルダリングで最も多い怪我は足首の捻挫ではないでしょうか。
落下した時に、足の裏ではなくつま先から着地してしまい、横方向に足を挫いてしまう事が非常に多く、次に多いのが、マットの無い所に着地してしまい打撲してしまうケースでしょう。
これらのケースは最悪の場合、骨折に繋がることもあり非常に危険で、落下時にマットを過信しすぎて緊張が解けてしまうことが原因として挙げられます。
マットの外に落下するケースとしては、全く予想していなかったタイミングで落下してしまい、マットの上に落ちる準備が出来なかった時に起こります。
オブザベーションの段階で危険な箇所をある程度予測することで、落下してしまった場合でも落下の体勢を作ることができます。
それでも完全に予想できないので、予期せぬ落下をした時は、せめて着地する時に足から着地して、次に尻餅をついて衝撃を和らげましょう。
負傷した時の処置
負傷した直後は、それほど痛みを感じることがありません。
そのため、怪我したかもと思いながらもしばらくクライミングを続けてしまい、悪化させてしまうことが非常に多いです。
怪我したかもと感じた時は、速やかにクライミングをやめてRICE処置と言われる応急処置を実施することをおススメします。
怪我した直後は、患部の周辺の組織が破壊され続けています。
これにより回復が遅れてしまいますが、応急処置をすることでこれを防ぐことができ、回復を大幅に早めることが出来ます。
怪我の程度にもよりますが、数週間単位で回復が早まるともいわれているので非常な有効な方法でしょう。
そして、何よりも大事なのが安静にすることで、患部にテーピングをしながらボルダリングしているクライマーも見かけますが、絶対に避けた方がいい登り方です。
怪我は正しく治療されないと、骨や関節が変形してしまい正しく機能しなくなる可能性もあり、回復も遅くなってしまいます。
1カ月我慢すれば回復するところを、我慢できずに悪化させてしまい、更に数カ月の治療が必要になるかもしれないと考えると、安静にした方が良いのは明白でしょう。
最後に
無理なクライミングは怪我を引き起こし、治療している間に筋力が低下するばかりか、トレーニングもできないので上達することもありません。
筋力の低下と上達の停滞という2重苦を考えると、怪我をすることのデメリットはとても大きいです。
ボルダリングは何気なく指を使っていますが、指は細くて繊細な部位であることを自覚してトレーニングしましょう。