ボルダリングでは足の使い方は腕よりも大切と言われることがあります。
足よりも腕の方が疲れるのが早いため、腕ばかりに意識が行きますが、これは事実です。
基本的な事ですが、高グレード帯のクライマーも意外と腕に頼っている方が多いので、今回はボルダリングにおける足の大切さと、トレーニング方法について解説します。
ボルダリングの足の重要性
今回説明するのは、足の使い方ではなく「足の力」です。
普段は、足の重要性い気が付かないかもしれませんが、たまに違うジムに行ったり、外岩に行ったりすると足がガクガクと笑うことが有ります。
普段と違うフットワークや、踏みなれないホールドが出てくると普段よりも沢山力を使うので消耗が激しいのです。
普段、ホームジムばかり行っていると気づきにくい事なので、思い当たる方もいるのではないでしょうか。
足の力が付けば、ホームジムでももっと余裕が生まれ、普段と違う場所でボルダリングをしてもいつも通りのパフォーマンスを発揮できるはずです。
それでは、足に沢山付いている筋肉のうち、ボルダリングで特に重要なところはどこでしょう。
ヒールフックにはハムストリング
ハムストリングは太ももの裏の筋肉です。
ボルダリングでは、特にヒールフックする時にこの筋肉を使います。
ヒールフックはボルダリング中級者が苦手なムーブの一つです。
その理由の一つとして、ハムストリングを意識できないというのがあります。
実はそれほどハムストリングの筋力はヒールフックに必要ありませんが、意識して使えるか使えないかで、ヒールフックの成功率は大きく変わってきます。
つま先の掻き込みにはふくらはぎ
強傾斜での掻き込みやスラブでのジブスの立ち込みにはふくらはぎの筋肉を使います。
ふくらはぎは、下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」と呼ばれ、「腓腹筋」と「ヒラメ筋」 からできています。
強傾斜で壁から足が切れてしまう、スラブで小さいホールドに立つことが出来ないという悩みの原因は、つま先でしっかりホールドを踏めていないのが原因です。
足が切れそうになっても、つま先に加重を掛ければギリギリ持ちこたえる場面も多くあります。
そして、つま先に加重をかけるには、つま先立ちする筋肉、つまりふくらはぎの力が必要です。
ハムストリングにはスクワット
ハムストリングのトレーニングにはスクワットが効果的です。
それほど鍛える必要はありませんが、ボルダリングの時に意識するきっかけになります。
スクワットの正しい方法は
- 足を肩幅程度広げる
- 足先を少しだけ外側に向ける
- 背中を曲げずに、ゆっくりと腰を落としていく
- 体重はかかとにかけておく
- 太ももと床が平行になるまで下げ、元に戻す
- 膝をつま先よりも前に出さない
この方法でいくらでもできてしまう方は、壁につま先を付けて行ってみてください。
回数は
3秒かけてしゃがんで3秒かけて立ち上がるのを15回、これを3セット
と紹介しているものが多いですが、これでは多いと感じます。
余計な筋肉をつけてしまう事になってしまうので、半分でも良いでしょう。
クライマーにとって、必要以上の筋肉を付けるのは、体が重くなって不利になると言われているので、限界まで鍛える必要はありません。
あくまで、ハムストリングを意識して使えるようになるためのトレーニングなので、鍛え過ぎに注意してください。
ふくらはぎにはかかと上げ
ふくらはぎのトレーニングにはかかと上げ(カーフレイズ)が効果的です。
トレーニング方法は
- 肩幅に足を開いて立つ
- かかとをできるだけ上げて、つま先立ちになる
- かかとを下ろす
かかとを上げる時は限界まで上げるようにしましょう。
回数は
30回×3セット
と紹介しているサイトが多いですが、クライマーにとってこの回数では多いです。
筋肉が太くなって重くなり、不利になってしまうので、この半分でもいいでしょう。
壁に手をついて行っても良いです。
ふくらはぎに負荷をかけたら、反対のすね側もやりましょう。
最後に
気づきづらいですが、足の力も腕と同じくらい大事です。
足が切れることが少なくなれば、腕の力も節約になるしムーブがより安定するはず。
ただ、足の筋肉はすぐに太く重くなってしまいます。
重くなることはクライマーにとって不利になってしまうので、トレーニングのやり過ぎには注意しましょう。